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細濁り
幕府
早蕨島
昏
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和風恋愛奇譚。本編から分岐した未来のお話。うちよそ敬称略。
メインキャラクター
深山 美景 ミヤマミカゲ
萬屋家の遠戚である妖生体学の自称天才医学博士。昏の発生起源に関して研究する。見るからに気怠げ。幕府とシャンヨーク、両方の要人。戦いは不得手で常に逃げ腰だが、逃げるための悪知恵は天下一品。
特技は状況分析、趣味は盤上ゲーム、好きなものはサボり、苦手なのは頼み事。
―― 話は理解した。だが断る。全力でな。
逆瀬 紗々 サカセササ
紗々→美景
義姉・四方の無実を信じてあちこち奔走する健気なヒロイン。真犯人を探すために遠戚の美景博士を頼る。水と親和性が高く嗜み程度に学んだ呪術で一行を手助けする。とある秘密があるようだ……。
特技は遊泳、趣味は貝殻集め、好きなものは読書、苦手なのは鬼の面。
―― 無実の姉をお助けくださいまし。
ジスラン・ジヌー
ジス→紗々
紗々の護衛。花散里に雇われていた幕府直轄ご公儀だったが、里壊滅の際に紗々を新たな主と決めた。幕府の組織にいたことも。出身は外国だが日の本ではある程度名の知れた剣豪。健気でまっすぐな紗々へ淡い淡い恋心を抱く。
特技は鍋料理、趣味は刀収集、好きなものは紗々、苦手なのは海。
―― 紗々様。某にご命令を!
ククー
四方と契約していた古い妖。主が自分を置いて逃げた為、その妹に付き従い居場所を探る。妖艶な女姿だが両性。空間移転を得意とし、ジスランの補佐役として活躍する。名の意味は「弓」。真名を知るものはいない。
特技は盗み聞き、趣味は弓作り、好きなものは血、苦手なのは退屈。
―― 静かに。『奴ら』が見ておる……。
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江戸幕府および花散里
萬屋 四方 ヨロズヤヨモ
四方→辛
紗々の義姉。かつては天才と謳われ次期頭領にまで指名された女流術師だったが、父親殺しの罪で指名手配中。負けん気が強い凜とした女性。ククー・壬といった強力な昏を使役していた。幕府の手を逃れつつ白い女を探す。
―― 戻れ。もう、止めるんだ、壬。
壬 ミズノエ 勾昏
壬→?
五行思想の水、陰陽。混ぜる者。原初の昏であり竜屍の右目から生まれた末子。精神的な力が強く最も妖力が高い。四方に仕えていたが里を滅ぼして主と共に姿を眩ませた。元は寂しがり屋、人懐っこい性格だった。真名はヌム。
―― 誰? オマエなんてしらないけど。
観堂 辛 カンドウカノト 刀昏
辛→→ジス
五行思想の金、陰。破壊者。原初の昏であり竜屍の左目から生まれた次子。物理的な力が高く剣技において勝る存在ない。だがある時を境に力を失い人へ堕ちた。寡黙な一匹狼。幕府公儀として四方を地の果てまでも追う。真名はエムシ。
―― 愚かな。罪人に例外は存在しない。
萬屋 六笠 ヨロズヤムカサ
四方の実父、紗々の義父。故人。花散里を統括する優しくも厳しい頭領だったが、ある日突然、里諸共滅ぶ。頭領たる彼を殺せる者は娘しかない、との見解で四方が指名手配された。過去にとある妖と何らかの因縁があった模様。
―― もう引き返せない。良いんだな。
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早蕨島・シャンヨーク
深山 菖太 ミヤマショウタ
美景の父。早蕨島の施設長。人魚と人間のクォーターのため見目麗しいが、息子にその事実は伝えていない。東の国・シャンヨークに妻が住む実家がある。祖先の情報を求めて日の本へ来た。
―― つれないなあ。お父さん寂しいよ。
南北 アンリ ミナキタ
南北→ククー
アンリ双子の短髪のほう。深山家の使用人。その正体は吸血鬼だが、妖排斥派が強い早蕨島では人間と偽り生活する。気弱で優しいため常に美景に振り回されるがドMなので嬉しい。完璧に家事をこなす。妖の血を好んで飲む。
―― あの通り彼は怠け者ですので。
西東 アンリ サイトウ
アンリ双子の長髪のほう。南北の双子弟。同じく吸血鬼。美景が籠もる研究所で助手を勤め、博士を尊敬している。だが早蕨島の潔癖具合が嫌い。いつか日の本、ひいては江戸へ行きたいと願う。兄よりも冷酷・客観的。
―― いませんよー? 妖に親なんてねっ。
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昏・アンノウン
アリョーシャ
白い女、と呼ばれるその人。四方が追う人物。各地で頻発する里壊滅事件の裏に必ず糸を紡ぐ彼女が目撃される。人の手で育まれた人造の妖であるため挙動が不安定。妖らしくない、光を司る妖。本当に妖なのだろうか?
―― この集落はもうじき崩壊するわ。
レティシア
レティ→カン
度々、紗々を狙う者。性別は不明。上半身裸にビロードのコートを直接羽織る細面の人間。アリョーシャを育てた。カンディードに憧れ不老不死となる方法を探すべく里へ参る。
―― 来るんじゃないよ。そのまま帰りな。
カンデイード
幕府の地下深くに収監される終身囚。辛の話し相手。長い時を経て人間離れした外見になってきた。無期懲役のため死ぬまで幽閉の身だが、あまりに長生きなので彼が一体いつから居るのか誰も知らない。
―― へっ。話相手がいなくちゃ寂しかろう?
アトゥイ 鏡昏
五行思想の火、陽。原初の昏、竜屍の心臓から生まれた長子。鏡を司り、世界の境界を覗く者。空間的な力を持ち、あちら側とこちら側をつなぐ狭間の守人である。辛が人堕ちして以来姿を見せていない。
―― 過去は追ってくるぞ。どこまでも。
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