舞台となるのは翡翠の竜が海に墜ち大陸となった世界――人々は彼の名を取りスマラグド大陸 と名付けた。この大陸で人々は黄金郷と呼ばれる肥沃な大地 を奪い合い、禁断の領域へ足を踏み入れていく。 〔ドラゴンの形〕をした竜大陸は、黄金郷をはじめ各地域名は〈竜の部位〉で表す のが一般的である。また草原名や河川名には眷属や英雄の名前が付いていることが多い。 主な種族は人間たち。 幻獣に近い生物〔眷属〕も三体ほど確認 されている。 この大陸には〔多民族〕から成る 4主権国:帝国、公国、連邦、共和国(一部属国) 1属州:ドロハド大橋> 1領区:竜頭争奪区(領都) が存在し、互いに黄金郷の利権を奪い合って水面下の争いを続けている。
正式名称「竜の頭-リュウノアタマ-」や「竜の首-リュウノクビ-」等で呼ぶよりも、略称「頭-アタマ-」「西翼-セイヨク-」「腹-ハラ-」等として呼ぶ場合が多い。
地名と国 | ||
---|---|---|
名前 | 領有・地理・守護 | |
アタマ |
帝国 奇跡的に肥沃、争いの中心地 唯一竜スマラグド |
|
クビ |
帝国 湿地帯、人外が住まう 茶首エリジェヴ |
|
トウヨク |
帝国 大草原、肥沃地 黒翼メルギラ |
|
セイヨク |
連邦 不毛地、永久凍土 白翼フルティラ |
|
ハラ |
公国 密林、水と緑が豊か 青腹ニエマイア |
|
セ |
公国 山岳地帯、貴金属が眠る 銀背・金背 |
|
オ |
公国 火口帯、鉄鉱資源が豊富 赤尾オーヴェド |
|
ツメ |
共和国 死地、灼熱と乾燥 紫爪ゼカルヤ |
〈竜の頭〉は大陸にとっての心臓部 であり、かつて黄金郷が栄えた場所 でもある。 人の歴史が始まって以来、長らく争いの中心地 であり、支配者たちはこぞってこの土地を求め続けてきた。古くよりこの地に住んでいた者たちが誰だったのかも忘れ去って……。 竜頭を手に入れる――すなわち大陸の支配者として君臨することである。 肥沃な大地・竜頭は豊かな土壌/四季折々の植物が同時期に育つ/絶滅種も生息可能な地域/命を育む栄養豊かな川等まさに夢の地 である。 竜大陸において〈竜の頭〉を制する者は大陸を制する だろう。今日も人々は〈頭〉を巡って争いに明け暮れる。
竜頭は特別な地であるため、一般人の在住は認められていない。 よって領都に住まう者はほとんどが政府関係者であり、郊外の各国保有地は農耕地や資源回収地となっている。支配形態は複雑で、共和国以外の三カ国がそれぞれ分割して領土を保有し、帝国区・公国区・連邦区と呼ばれて治外法権を持つ。この場合、区境を跨げば当事国の法律が適用 される。 また、竜頭支配権を持つ〔オルドーグ帝国〕は、中央部に「領都」と呼ばれる特別な支配域 を持つ。都名は当時の統治者にあやかって「xxネア・インシグネ」と改名する慣例があり、本編軸ではジュリアン皇帝の名を取り「ジュリネア・インシグネ」と呼ばれる。
皇帝に直接任命された領主は、他領を含む竜頭全区への命令権を持つ 。公国区や連邦区にも領事館を置く帝国は、支配権持たざれど虎視眈々と領土を狙う彼らの監視を日々続けている。 一方、命令権の対価として、領主には領都の竜頭防衛義務が課せられる 。領主は専ら外国諸国からの攻撃に頭を悩ませながら、竜頭内で起きる諍いを治めるべく、調停や裁判に追われる日々を送る。
かつて〈竜の頭〉には「呪われし民」ないし「金眸の民」たちが作り上げた黄金郷があった。 だが暗黒時代、勢力争いに負けた民が肥沃な大地から追い出されるのに伴い、高度な文明や魔法技術も失われる。巧妙に隠されたのか、知識そのものが消えてしまったのか……いずれにせよ黄金郷の再現は不可能だと思われていた。 しかし感知〈センサー〉が文明の残滓を発見した ことで事態は一変。かの力によって発掘と解明が進み、黄金郷再興は現実味を帯びてきた。大陸そのものを力強く繁栄させた黄金郷の再興が実現すれば、滅びに向かう竜大陸にも光明が射すはずだ ――そう信じる大陸各国の重鎮から投資を受け、帝国主導のもと、黄金郷再興計画が推し進められている。
竜頭と各国 | |
---|---|
国名 | 竜頭と歩んだ歴史 |
オルドーグ帝国 |
|
ガルタフト連邦 |
|
ケアド共和国 |
|
ミアナハ公国 |
|
基本的に温暖~亜熱帯な気候である。 けれども〔東翼〕だけ極端に寒冷。冷害被害の西進、植物の死化など大陸の衰弱 が進む中で原因究明と共に解決策が求められている。現在では、大陸衰退を防ぐ唯一の手段として、竜そのものを活性化させる〔黄金郷の再現〕が有効とされている。
各国の文化 | ||
---|---|---|
地域 |
文化 |
体制・軍 |
首 東翼 |
合金・木綿・リネン・革 春秋・朝 |
立憲君主 海陸 騎士 |
西翼 |
超合金・毛皮・合成繊維 冬・夜 |
専制君主 空海陸魔 |
爪 |
青銅・絹織物 乾季・昼 |
共和制 衛生 |
腹 背 |
鉄・革製品 雨季・夕 |
専制君主 陸軍 暗殺 |
大陸外 |
鉄・革製品・麻 |
諜報 |
頭 目 |
全季節 |
大陸各国が指標としている暦は二種類 ある。 先史から誰かが綴って来た「竜暦」と、人間の支配者が記した「元歴」である。 「竜暦」は先史時代から記され、天文学など古学に特化した学問でのみ使用されている。 「元暦」は人間の支配を記し、大陸中で広く使われている。
大陸における人間の歴史とは〈竜頭〉支配の歴史 と言っても過言ではない。そのため、元歴には当時〈竜頭〉を支配した国の名前を付ける習慣 があり帝国紀のように表される。大陸の歴史詳細は〔大陸年表〕を参照されたし。
名前 | 特徴 |
---|---|
竜暦 | 竜の視点から数えた暦 元暦+1700年 竜が大陸竜となったとされる時期を元年とする。古学や宗教的な意味合いが強い。金目の異能者が各代ごとに記して歩いたといわれる大事な歴史的資料。 |
元暦 | 始まりからある暦 人間盛衰の歴史であり支配者目線。ミアナハ神国が大陸統一した年を元年と数える。各国で利用されている権威ある公式の暦。大陸の人類約七千年間を記す。 |
大陸三人種とはミアナハ人、オルド人、ケアド人を指す 。 古く、金眸の民もこの地に暮らしていた 。けれども彼らは他民族より身体的に劣っていた。迫害されて数を減らし、他民族へ竜頭の支配権を譲り渡した結果、竜大陸はいくつかの人種と民族、宗派が入り交じる場所となった。
大陸における最初の人種は〔黒翼〕に率いられたケアド人 だった。 彼らは北東より広がり、赤尾の血族〔ミアナハ人〕、青腹の血族〔オルド人〕、呪われし竜血族・金眸の民などと交わりながら大陸へ根付いた。しかし金眸の民が南西の砂漠・竜爪へ追いやられる と、金眸の民は厳しい自然に耐えられず、絶滅の危機を迎えた。 そこで北東にいたケアド人は民を救うべく竜爪(現在の共和国がある場所)へ移住、民と交わり、消滅を回避せんと試みた。 それからしばらくは、爪へ移住した人々も、北東に留まった人々も「ケアド人」と名乗っていた。だが北東地域に連邦が台頭すると、そちらは王党派、反王党派と新たな区別が誕生して本編に至る。
領土 | 人種 | 宗教 |
---|---|---|
帝国 | オルド人 | |
多人種 | 青角 |
|
公国 | ミアナハ人 | |
赤角 |
||
連邦 | ケアド人 | 黒翼 |
白翼 |
||
無派閥 様々 |
||
共和国 | ケアド人 | 竜信仰 |
不明 | なし |
|
その他 | ||
各民族には風土や宗教によって育まれた特有の気質がある。 当作品でいう「人種」とは一定の地域に存在する人々を指して血統的・外見的差異を取り上げた社会的概念。生物学的な種や亜種とは異なる概念です。