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Enoch
イーノク

「この先は北森独立地帯だ。立ち去れ」
年齢 性別 民族 略称 カラー
?歳 眷属 黒角 漆黒
親族 出身 職業・階級 武器 モチーフ
黒翼メルギラ
黒牙族
星の落日
詳細不明
北森の主
 黒翼メルギラの転生姿である 〔眷属〕。生命を司る。
 遙か昔より連邦国の〔北森地域〕に棲まう存在。眷属でありながら羽翼獣であり、連邦国では神に等しい 〔神角〕と見なされる。黒翼と同一人物なので、黒牙族の血が濃いゾイ王家とは遠い親戚関係にある。
 冷徹な物言いが目立つも、約束したことは義理堅く守る性格。 
 
 寡黙な一匹狼であるイーノクはかつて他生物との関わりを極力避けていた。
 しかし今から数百年前、連邦国のある王と盟約を交わし、大監獄の監視役を請け負うようになった。
 以来、政府に烙印を押された者を囲い独自の隔離地域を形成。かくして連邦国と北森は長きに渡り不干渉を保ち続けてきた。
 しかし近年、その独立権を取り上げようと画策する白翼派である女王との間で確執を深めている。

容姿
 一人称「我」/二人称「貴様」。
 その姿を実際に見た者は少なく、水晶の翼を持った黒い虎だとだけ古い記述が残っている。一般人はゆらゆらと揺れる影しか見えない。
 ひとつ確かなことは、巨大な黒い獣、ということだろうか。そのため「ベートノワール」という異名を持つ。地の底から響くようなおどろおどろしい声をしているとも、精悍な青年のような爽やかな声音だとも言われている。

北森の生活
 囚人は森の中にいる限り自由である。 
 国王の権力が届かぬ独立地域ということは、囚人にとって一種の隔離施設。北森と外は特殊な力で遮断されており黒角の許可なく脱出することは不可能。自力で出入り可能な者は、黒角の恩寵を得た者、もしくは同等の力を持つ者だけだという。

見守る者

不可侵の理
 黒きメルギラが大陸へ渡った後に大陸にて転生し、以降同地に居を構え続けた。
 生命が存在出来ぬ地となった左翼暗黒紀の所在は明らかになっていないが、恐らく当時も北森に居たと考えられる。

 やがて左翼が温暖になり連邦国の基盤となった君主制小国が成立すると、彼は人の王と不可侵盟約を結んだ。連邦国内で弾かれ居場所を失った者をここに住まわせて欲しい、その代わり政府はこの地に手を出さない――そんな内容の約束だったという。
 しかし口約束というのは時と共に移り変わるもの。国に居られない者、すなわち厄介者を投げ込む場所と認識されていった北森は、いつしか神角自らが罰する「大監獄」と呼ばれるようになる。
 連邦国は政犯者や重罪人を好き好きに送り込み、北森は人で溢れていった。

囚人との絆
 連邦国が好き勝手に己が領地へ厄介者を送り込んでくる様をイーノクも黙って見ていた訳ではなかった。
 眷属はすべからく特異な力を持っているが、中でもイーノクはかつての黒翼であり、ことに力の強い黒角である。 
 その力を使って外へ出たいと願う者たちへ「恩寵」を与え、囚人を部下として秘密裏に行動させている。 
 ――犯罪人を外へ出して良いのか? そう疑問を呈する者もいるがイーノクに「人間の法」は通じない。連邦国にとっては「犯罪者」でもイーノクには連邦国の人間と同じ存在に過ぎないのだ。
 こうしてイーノクは囚人達を味方に現在まで女王へ反抗し続け、一進一退で国家の不干渉を保っている。


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